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<ノベル>
「…先ほ……空中で爆発が……被害者はなく…」
空港はいつも騒がしいが、この時は何時も以上に騒々しかった。
発着待ちのロビーに備え付けられている超大型のテレビに多くの利用客が集う。
真山・壱はその様子を特に気にしてはいないようで、コーヒー屋の店員の気も漫ろな接客を飄々とした表情で受けていた。本来であれば、今頃は乗客や乗組員、空港職員にマスコミと野次馬にもみくちゃにされていても可笑しくはないが、英雄扱いされるのは好きではない。それに何より、疲労が溜まっている。長時間飛行機に乗っていた疲れではない。
暫くして出されたコーヒーは我慢できない不味さではなかったが、明らかにローストが甘かった。温度は心地よかった。
―こういう時はインスタントの方がいいんだなぁ〜
と、ひとりごちてプラスチックのカップを右手に、ブリーフケース大のトランクを左手に持って、壱は空港を進む。まるで自宅のリビングから私室に向かうくらい自然に、馴れた足取りで。
割と特徴のある外見だし、マジシャンとして顔もかなり売れているにも関わらず、誰も壱を振り返らない。気配や存在感を絶つ事は容易だ。
いつもならば電車で自宅に帰るのだが、今日からは違う。
事件は“空飛ぶ鋼鉄の密室”……ジャンボジェット機の中で起きた。日本まで後1、2時間といった地点まで差し掛かっていた。
壱はエコノミークラスで微睡みから覚めたばかりだった。丁度いいタイミングで客室乗務員が着たので、渇いた喉を潤す為にトマトジュースを頼んだ。機内のそれはレモンが添えられていてさっぱりとしていて美味い。
ふっと隣に視線をやると、男が手荷物から黒い袋を取り出した。
布製でもなく、ビニール袋にも見えなかった。
男と目が合う。
迂闊だった。
まだ脳の奥まで覚醒しきっていなかった。
「黙っていろ」
低い声で凄まれる。だからといって別に恐くもない。一瞬でも驚いていないかと問われたら返答には困るが。
黒い袋から取り出されたのは、お約束にトカレフだった。
袋は税関のX線を透過しない為のものだろう。昔はよく流通していたらしい。カメラの中のフイルムが台無しにならない様に普通に売られていたのだ。最近はデジカメが流通している所為か、なかなか見かけないのだが。
壱が何も動かないのを見て怯えたと確信したらしい男は改めて辺りの様子を伺っている。
その様は百発百中で警察から職務質問をされそうな程挙動不審だ。
あまりの素人ぶりに、壱はなんだか微笑ましくなってきた。煩いので男に気付かれない様にトカレフを再確認する。
明らかにモデルガンだ。偽造より造りは丁寧だが、そこが逆に見抜きやすい。
尤も、今この機内で瞬時に見分けられるのは壱くらいだろう。
伊達にICPOから追われているわけではない。
―せめてもっと出来のイイやつ使えばいいのに。
壱は狼狽も恐れもしていない。モデルガンの何が怖いというのだ。体術に自信がある様にも見えない。そこまで低レベルにも関わらず何故ハイジャックなどと言う大それた犯罪に手を染めたのかは判らない。判ったとしても興味なんてない。
しかしここでハイジャックなんてされたら、銀幕市に到着するのが遅れる。数日の遅れならまだ許容範囲だが、万が一にも墜落、なんて事になってはならない。
約束したのだから。沢山の子達と。
「……止めた方がいいよ。それでハイジャックなんて出来るわけがない」
静かに。穏やかではないが、沈着な声で壱は男に言った。
「―何だと?」
「それがモデルガンなのは判るし、君が体術にも疎いのも。今ならまだ間に合うよ」
「……フン、よく気付いたな。だがな、これだけじゃない。さっき機内に爆弾を仕掛けたんだからな」
「爆弾?」
「ああ、そうだ。お前一人が足掻いた所でどうなるものでもないのさ」
口元に歪んだ笑みを浮かべながら、男がモデルガンを突きつけている。壱は男に見向きもせずに、顎に手を当てて思案する。
客室乗務員でもない、一般の客が入れる場所などたかが知れている。それにこの男が動いた気配はさほどない。3度ほど動いたが、全てトイレに向かったものだった。
彼のしょぼさとを鑑みて間違いないだろう。恐らく仲間もいるまい。
だが壱に爆弾を解体出来る技術はない。だが機内で爆発なんてもっとさせられない。
―疲れるけど、とりあえず一番安全で簡単、かな……
「聞いてんのかッ!?」
男がつい声を荒げる。ぐいとこめかみにねじ込むように銃を突きつけ直す。あまりの冷静さに腹が立ってきたようだ。
周りの乗客が男を見る。モデルガンを見て一気に騒然とする。誰もが本物だと思っているようだ。
「黙れ、黙れ貴様等ぁッ!」
ヒステリックに叫びながら男は乗客を威嚇する。この男がどうなってもいいのか、なんて安っぽいセリフを吐き散らす。
壱は淡々と男を見ながらタイミングを計る。
これは爆破装置だ、押したらどうなるか判ってるんだろうな、と喚き散らす。乗務員達もチーフとかパーサーとか言う役職のものが出てきて必死で宥めている。
「押したければ押せば?」
しんと辺りが静まり返る。こめかみに銃を押し付けられた男がばかみたいに冷静にしている。良くも悪くも辺りは水をうった様に静かになる。
「っだと!?」
「僕にはそれが爆破装置には見えないから」
少年みたいに無邪気な笑顔で、壱は言う。
男ははっとして、自分の開いている手を見つめる。そこには爆破装置ではなく、魚肉ソーセージが握られていた。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!??」
当然と言うべきか、男の絶叫が響く。そのまま魚肉ソーセージを床に叩きつける。
「あーあ、勿体無いなぁ」
けらけら笑い、壱は魚肉ソーセージを拾う。そろっとすり返るのはお手の物だ。小手先の事なら誰にも負けやしない。
「お前かぁ!」
激昂した男の下から顎に一撃入れる。壱はそんなに戦闘能力が高いわけではないが、顎は結構衝撃に弱い。商売道具の手で殴るわけには行かないので、自分の一つだけの手荷物、トランクを使った。
男はその攻撃をばっちり食らい、あっけなく倒れた上に窓に頭をぶつけて完全に伸びてしまった。
わぁぁっ、と湧く周囲を横目に、壱はするりと席を離れる。乗務員達が男を押さえつけていたり、空港に連絡をつけに無線だろうか、それを流しに行く。
トイレだ。
我慢していたわけではなくて、男が恐らく爆弾を仕掛けた場所。飛行機のトイレは狭い。何処においても直ぐに誰かに発見される。親切な者が見つめたら、乗務員に届けるだろう。誰かが男のものだと気付いたら色々と台無しになる。
ならば見つかりにくいのは何処か。
紙手拭きやトイレットペーパーのストックが置いてある場所。あれの奥に仕込めば意外と見つかりにくいかもしれない。
記憶している限り、男は一つのトイレにしか入っていない。遠いトイレに入るのは怪しまれると思ったのだろうか。意識していないところで「疑われるかもしれない」と不安だったのかもしれない。
無人のトイレに入り、念の為鍵を掛ける。手洗い場のすぐ下にある物入れを乱暴に漁り、奥からトイレ用品には見えない小箱を見つける。
鍵なんてかかっていなかったから、ぱこ、と簡単に開いた。
中には、紙に包まれた年度のようなものがみっちりと入っていた。
爆弾には詳しくないが、それでもこれだけあれば飛行機は爆破される事は可能にみえる。たとえ一瞬で爆破などは出来なくても、航行に支障をきたし、結果墜落、は可能だろう。
それを落とさないように抱え、鍵を開ける。そして、壱の姿がフッと掻き消えた。
人目を避けてトイレから出、急いで扉のすぐ近くまで移動する。そして箱が先ほどの壱の様に、一瞬歪んで掻き消える。その一瞬、扉の窓から箱自体が垣間見える。
壱は僅かながら、超能力を秘めている。使うと大変疲れる(ここ四倍格太字で)ので、使用頻度はそんなに高くはない。だが今はそんな事言っている場合では無い。
きっちり1分経った時に、男から掠め取った爆破装置のスイッチを入れる。
音は何も聞こえなかった。機体にエアポケットに入ったような衝撃が走る。機長からのアナウンスが英語と日本語で、二度流れる。エアポケットに入りましたので、着席の上シートベルトをお締め下さい。
それを聞いて安心したのか疲労に襲われただけなのか、壱はがっくりとその場に座り込んだ。
感謝されまくっていたのが鬱陶しくなって、発着場についた途端にふらりと姿を眩ました。
空港のセスナ乗り場まで、疲れた身体で辿り着く。
ここから銀幕市まではセスナで向かう。電車よりもずっと早くて気が楽だ。
だが意外と利用客は少ない。チャーターしなければならないから高価で無理、と言う理由は実は2番目に位置する。実の所、あまり知られていない航路だったりするのだ。
乗客は壱一人。パイロットとコ・パイロットが、壱を迎え入れる。乗客が一人とはいえ、空のダイヤは時間がきっちりと決められている様で、じゃあ出ましょうか、と言うわけにもいかない。
懐中時計をポケットから取り出すと、出立まではそんなに間がある訳でもないらしく10分程で定刻らしい。時計をしまい、早々に乗り込む。
ジャケットの内ポケットから一枚の封筒を取り出す。「銀幕市に着いたら見てね!」と渡されたので、まだ封は開けない。何が入っているのか、と楽しみだ。
優しい手つきで内ポケットに入れなおし、上からぽんぽんと叩く。
一言二言、コ・パイロットと簡単な話と航路に付いての説明等を聞く。セスナはそれほど頻繁に利用しているわけではないが、利用自体は何度かしているので初歩的な説明は断った。
やがて定刻になり、パイロット達が管制官と何か英語で話しながら、機体は宙に浮かんだ。
そんなに時間は掛からないので寝るのは止めて、折角だから空からの銀幕市も見ておこうと思った。そのことも話せば、きっと喜ぶと思ったから。
突然、眼の前が光に包まれた。
あまりの眩さに暫く視界が白くなるほどだった。
「……なんだろ?」
辺りを見渡すと、セスナではなくなっていた。安い造りではなかったが、シートがかなり高級品になっていて、セスナとは思えないほど広くなっていた。
「まさか、これ。ムービーハザードっていう奴なのかな?」
やけに冷静だった。取り乱しても意味が無いのもあるが、自分でも驚くくらい冷静だった。
取り合えず屈んで姿を隠す。足音が聞えたのだ。ふかふかの絨毯にも拘らず、壱の耳はきちんと捕らえていた。
耳を澄ますと、男たちが話していた。
どうやら、“大統領専用機がハイジャックされている”らしい。内容の熱狂さを考慮すると、彼らはテロリストだろう。顔も隠している。テロリストなんてものは顔や名前を隠すくせにやたらと正義を振りかざすものだ。眼の前にいる奴等は顔を隠してはいなかったが。
パイロットを殺して機体を落とす、等と恐ろしい事を言っている。
―勘弁してよね……
はぁ、と大きくため息をつく。あの恐らくはヴィランズであろう者達を倒せばこのハザードは解ける。だが壱には何人いるか判らないテロリストと戦う程の戦闘力はないし、例え出来たとしてもパイロットが殺されてしまったら、後味は悪いし自分の命も危ない。
銀幕市にあるポートに着くまで、何とかして時間を稼がなければならない。そうすれば、あの街にはムービースターがごっさりといる。テロリストのヴィランズなんぞあっさりと倒せる者が星の数……は言いすぎだろうが、相当数がいる筈だ。
ポケットから時計を取り出すと、予定時刻まであと少し。何とか時間を稼げる時間だ。現にハザードに巻き込まれたと言う事は、銀幕市に入ってるのだから。その為にはコクピットまで言って、外部へ連絡を取ってもらわなければならない。
相手は銃を持っているが、余程の馬鹿でもない限り撃ってはこないだろう。機内で発砲したら自分達だって命取りだ。
男は機内に設けられているショットバーのいかにも高級そうな酒に手を伸ばしている。
もう一人の男と下卑た笑を浮かべながら、何事か話している。「こんな酒、もう飲めないぜ」。
より強いイメージの為に、しなやかな人差し指で天井を示してからひょいと下におろす。
ガシャン、とKURGとラベルの入った酒が盛大に砕け散る。
静寂。
「誰だぁっ!?」
若干デジャヴを感じつつ、壱は前の座席の背もたれにぴったりと体をつける。これでテレポートを使えば直ぐに奥までいけるし、相手を翻弄する事もできるだろう。
わざと小さく物音を立てて自分の居場所をアピールする。
男たちは予想通り壱の下へと駆けて来る。タイミングを見計らって、壱は前方へテレポート。
「…誰もいない!?」
前の座席へと移って、ポケットに入っていた飴玉を奥の方へと投げる。わざと壁に当てて音を立てる。
男たちがそれを見て、前方を見る者と後方を見てくる者に別れる様だ。
銃を構え直して、男たちは二手に別れた。
クリュグを頭から被った男は、後方からショットバーの近くまで戻ってきた。ざっと見渡してきたが、特に成果は得られなかった。鬱陶しそうに濡れたままの前髪をかき上げる。
「……おい、誰か居たか?」
前から戻ってきた相棒に声をかける。相棒は無言で首を振る。
「……気のせいだったのか?ま、飲み直そうぜ」
相棒は「ああ」ときの抜けた様な、いつもの返事を返してくる。だから安心して、気を抜いた。背を向けた。
「しっかし、クリュグた」
男は最後まで言えなかった。
再び、クリュグのボトルで頭を殴られたから。
もう一人の男が、完全に気を失ったのを確かめて、ハンカチで後ろ手に縛る。引きちぎれるだろうが、解くのは容易ではない。
殴られた男を、もう一人の男がじっと見つめる。
やおら自らの顎に手をかけるとそのままベリベリと皮を剥いでいく。
皮膚の下から壱の顔が覗く。
「……ふう、取り敢えず一人」
服装は前方を見張りにいった男のものだった。彼も殴ってお休み頂いている。ちゃんとそいつも猿ぐつわをして縛ってある。後何人居るのかは判らない。なるべくなら後方に居て欲しい。コクピットを見つめると、かなり仰々しい扉になっている。
あそこに立てこもれば時間はかなり稼げそうだ。
鬱陶しい上にセンスの欠片もないテロリストの服を脱ぐ。下には勿論元々壱が着ていた服だ。体積とかそういうものはこの際考えない方がいい。もう一つの顔は怪盗であるので、この位はお手の物そしてお約束。
ふう、と一息ついた瞬間。
「なんだあいつ!」「見た事無い顔だぞ」「ラグとリグが倒れてる!」「まさかあいつ!?」
口々に叫ばれ、一斉に銃を構えられる。撃ってこないだろうとは思う。だが相手はテロリストだ。ジャンボジェットのしょぼいハイジャック犯とは違う。しかもヴィランズだから容赦はない。
「……やば」
小声で呟き、脱兎の如くコクピットまで逃げる。
セスナならほんの数歩の距離だが、いまここは大統領専用機、セスナなんて比べ物にならないほどの広さと長さがある。
ひぃぃ、とわき目も振らずにコクピットへ。早く逃げて、パイロットに連絡を取ってもらって、それで―!
パァン!
破裂音が、一つ。
ヒュンと稲妻のように何かが頬を過ぎる。更に鈍い音が聞こえた。まるで鉄が鉄にぶつかる音。いやそれほど高く澄んだ音ではなかった。もっと鈍くて、嫌な音。
思わず頬に触れると、その男性にしてはやけに美しい指の先に赤いねばついた液体が付いた。
血液だ。
「って、撃ってきちゃったのかなっ!?」
威嚇射撃らしく、第2波はまだ来ていないが、時間の問題だろう。
壱は猛スピードで専用機の通路をかけて、コクピットの扉を開けようとする。しかし案の定と言うべきか、鍵が掛かっている。
小手先の技術で開けられる扉ではなく、内側からしか開かない仕組みになっているようだ。
大概疲労困憊し始めてきたが、已む無くテレポートしてコクピットの中に入る。
「……はぁはぁ。パイロットさん、実は」
ごり。
本日二度目の感触。
こめかみに銃が突きつけられる。横目で見ると、さっきのテロリスト達より大分厳つく、だがどこか知的に落ち着いている。しかし瞳の置くにはそこはかとなく狂気を宿している。
銃は口径9mm、銃身140mm。作動方式はダブルアクション・ストレートブローバック。
旧ソ連軍の大型の軍用自動拳銃だ。頭くらい簡単に吹っ飛ぶ。
今度はさすがに本物だ。しかも相当使い込まれている。
男がにやりと笑って撃鉄をゆっくりと下ろす。
恐怖ではなく、疲労でひざが笑う。テレポートするのはもう無理だろう。一瞬でもイニシアチブが取れれば何とかできたものを。
―冗談じゃない。こんな所で死ぬなんて。
その時。
壱のポケットから、小さな白い生き物が体と腕を伝ってスチェッキンの男の元へとかける。
形容しがたいその生き物は、もぞもぞと動いたと思ったら、ぱくり。と。
スチェッキンの男に噛み付き、音も立てずに食い始めた。
「……」
壱は呆気にとられて、その光景を見ていた。
両の手の平に乗るくらいの、位置のポケットから這い出た色白の生き物は、ほんの僅かな動作で男を食い尽くした。
そして。
再び辺りは眩い光に包まれ、大統領専用機は元のセスナに戻った。
セスナは無事に銀幕市内にある小さな飛行場に降り立った。
パイロットとコ・パイロットは銃で脅されてはいたが、幸いにも無傷だった。
ー一時はどうなることかと思いました。
パイロットは苦笑しながら言った。彼にとってハザードに巻き込まれた体験は始めてらしかったが、“二度はいいですね”とやはり困った顔で小さく付け加えた。
壱は疲労困憊して飛行場に備え付けの安っぽい長椅子に横になる。胸元には色白の生き物がちょこんと座って、短い前足で頭をポリポリとかいている。
なんだかとても微笑ましい。
「……君が、バッキーなの?」
問いかけても、白い生き物は答えもせずに位置の腹の上でまるこまる。
この子がバッキーなら、自分は“ムービーファン”という奴なのだろう。
それは色々と好都合な気がしてきた。
そもそもの目的は実体化アイテムを、ある人物達のために手に入れる事だ。だから、ニュースやネット等で伝え聞く事件に介入するいい口実になる。
「名前決めないとね。 ……きみ白いから、ヘルさん。さん、までが名前だからね」
ヘル、hellはドイツ語で色白を示す。
あまり捻りはないが、見た目を一目で現しているので判りやすいし覚えやすく、さん、までが名前だとするとなんだかとても愛らしい。
これからよろしく、という気持ちをこめて、壱はヘルさんの頭をやわりと撫でる。
だらりと首を外に向けると、真昼の抜けるような青空が空一面に広がっていた。
あの子達の喜ぶ顔が、もっともっと見たかった。
それだけの、十分すぎる理由をもって銀幕市にやってきた。
胸ポケットに入れておいた封筒に、再び上から触れる。
壱とヘルさんの新しい生活が、今日から始まる。
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クリエイターコメント | PC様におかれましては、はじめまして! オファーありがとうございました!
因みにタイトルはイタリア語で、「まず自分を助けろ、そうすれば神が助けてくれる」という意味です。 神様と言うより、バッキーのヘルさんが助けてくれましたけど…。
銀幕市には国際空港がありませんので、こういった仕様にさせて頂きました。申し訳ございません。
カッコよくスマートに、そしてちょっと可愛らしくを念頭に置いて作成しました。少しでもご期待に添えていれば幸いです。
これからの真山様の銀幕市においてのご活躍を心よりお祈りしつつ。 書かせて下さって、どうもありがとうございました! |
公開日時 | 2008-01-25(金) 22:00 |
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